今日の総社市は雨です。急に強く降ったかと思えば止んだりと、変わりやすい天気になっています。
今回は、岡山県でベンツを得意とされているW社様から、ベンツW213のヘッドライト修理をご依頼いただきました。
症状は、スモール点灯時にホワイトとブルーに光る2本のラインのうち、片側の下側1本が光らないというものです。輸入車の電装は得意分野とは言い切れませんが、確認できるところから調べていきました。
ベンツW213のスモールライン不点灯をご相談
まずは、W社様へヘッドライトを引き取りに伺いました。
カプラーの電源位置が分かれば、当社でも点灯確認ができる可能性があります。そのため、配線を調べていただきましたが、電源位置は特定できませんでした。
CAN通信などの制御が関係している可能性も考え、いったん持ち帰って、調べられる範囲から確認することにしました。
引き取り直後の写真は撮り忘れてしまったため、下はヘッドライトの形状をご紹介する参考画像です。

▲ 今回の修理対象と同タイプのヘッドライトです。こちらは形状をご紹介する参考画像です。
裏側からの作業を試みた後、殻割りへ
最初は、大きく分解せずに作業できないかと考えました。そこで、LED基板があると思われるケース裏側の一部をカットし、内部を確認します。

▲ ケース裏側の一部をカットし、LED基板へアクセスできるか確認しました。
ところが、中には大きなヒートシンクがありました。この開口部からでは取り外しが難しかったため、殻割りして作業を進めることにしました。

▲ 内部に大きなヒートシンクがあるため、殻割りして分解しました。
LED基板を取り出してホワイトとブルーを点灯確認
まず確認したいのは、LED自体が点灯するかどうかです。基板を取り出し、回路の構造を調べました。

▲ 取り出したLED基板。構造を確認してから、点灯チェックを行います。
ホワイト側は、回路を分けて仮点灯させました。

▲ ホワイト側のLEDを、回路を分けて仮点灯させました。

▲ ホワイト側は、直接通電による確認で点灯しました。
続いてブルー側も確認すると、こちらも点灯しました。

▲ ブルー側のLEDも点灯を確認できました。
この確認では、ホワイト・ブルーともにLEDが点灯しました。その結果をLINEでW社様へお伝えし、殻割りした状態で再び車両へ取り付けていただきました。
しかし、車両につなぐと、やはり対象のラインは点灯しません。
制御ユニットの入れ替えで症状が変化
LED以外に、ヘッドライトの制御ユニットが関係している可能性もお伝えしました。すると、W社様に確認用の在庫車が1台あるとのことでした。
従業員さんが、ヘッドライトを車両へ取り付けたまま制御ユニットを取り外し、入れ替えて確認してくださいました。
その結果、ホワイトは点灯するようになりましたが、なぜかブルーは点灯しません。
正常に点灯していた車両から外したユニットでも、ブルー側の症状が残ります。基板までの通電状態なども調べていただきましたが、さらに切り分けが必要な状況でした。
ホワイト側の電源をブルー側へ接続する案も出ました。ただ、明るさや制御ユニットへの影響、警告表示がどうなるか分かりません。
そこで、再度持ち帰り、配線の接続を入れ替えて試せるよう、基板につながる配線へ一時的にギボシ端子を取り付けました。
基板の回路を調べ、中古在庫基板の類似部品で補修
配線を加工したものの、できれば本来の接続で点灯する状態へ戻したいところです。ここは、つい職人気質が出てしまいます。
LEDは直接通電で点灯しているため、基板上の部品や配線パターンにも目を向けました。
テスターで確認しながら回路をメモし、基板と見比べて考えていると、「もしかすると、ここではないか」と思う箇所が見つかりました。
そこで、当社にあった中古在庫基板から、似た部品を1個取り外して使用しました。新品部品ではなく、元の部品と全く同じものかどうかも確認できていません。
交換によって、点灯していたホワイト側にも影響する可能性があるため、かなり悩みました。そのうえで、疑わしい部品を、この中古の類似部品へ交換して確認することにしました。
交換後、まずは基板へ直接通電して点灯確認を行います。

▲ 基板部品の交換後、直接通電ではホワイト・ブルーともに点灯しました。
どちらも点灯しましたが、直接通電では交換前にも光っています。本当に改善したかどうかは、車両へ取り付けて確認しなければ分かりません。
車両で白・青ラインの点灯と警告の解消を確認
翌日の早朝、再びW社様へヘッドライトを持参しました。
基板部品を1個交換したことと、改善しなかった場合には配線を入れ替えて確認できるようにしたことをご説明します。
そして、点灯してほしいと願いながら、ヘッドライトを接続していただき、スモールをオンにしました。
今度はホワイトもブルーも点灯し、警告表示も消えました。
回路を調べながら見つけた箇所が、今回の症状の改善につながったようです。無事に点灯して、ようやくひと安心できました。
確認用のギボシ端子を撤去して最終仕上げ
本来の接続で点灯したため、確認用に取り付けたギボシ端子は不要になりました。
いったんヘッドライトを持ち帰り、ギボシ端子を撤去します。配線はすべてはんだ付けで接続し直し、殻閉じをして仕上げました。
さらに翌日、完成したヘッドライトをお持ちし、車両への取り付け後に最終点灯確認を行いました。問題なく点灯することを確認して、納品させていただきました。
かなりの時間を使い、悩みながら進めたベンツW213のヘッドライト修理でしたが、無事に点灯する状態へ戻せてよかったです。
なお、車両へ取り付けた完成画像は、撮影を忘れてしまいました。
このたびは、ガレージ ♠ ディープへご依頼いただき、ありがとうございました。














